【歯石取りで何度か通院する理由について】
2024年も早いもので1カ月が経過しましたが、皆さまいかがお過ごしでしょうか?
白井市桜台・千葉ニュータウンの歯科・矯正歯科
なつみ歯科クリニックです。
歯石を取るのに「何回か通うことになった」という経験はありませんか?「なんで1度で取れないのかな~」と思う方もおられるかも知れません。
そこで、今回は「歯石取りで何回か通う理由」について、お話しいたします。
歯石取りに何度かに分けるのには、歯周病にかかっていることが考えられます。歯周病は、歯磨きをすると出血するぐらいで、ほとんど自覚症状ないまま進んでしまう特徴があります。
【歯周病】
歯周病とは、歯を支える周りの組織の病気です。歯と歯茎の境目に歯ブラシの毛先が行き届かないでいると、そこにプラーク(歯垢)が停滞し歯ぐきが赤くなったり、腫れたりします。
そして進行すると、歯と歯茎の境目が深くなり(歯周ポケット)、歯を支えている土台の骨(歯槽骨)が溶けて下がって行きます。重度になると支える骨がなくなってしまうので、グラグラ揺れて来て最終的には抜けたり、また抜かなくてはならない状況になります。
【歯周病の原因】
歯周病の原因は、歯垢=細菌の塊です(歯垢1mgに約10億個もいます)。歯垢は、唾液の中のカルシウム成分などと混ざり、歯石になります(約48時間で歯石になり始めると言われています)。
歯石は、無数の穴が空いていたり表面がザラザラしていて、歯周病の原因である細菌の格好の棲みかになってしまい、歯石が出来てしまうと歯の周りの細菌が増えてしまいます。歯石は歯の表面に付着しており、見えている歯石と歯茎の中に隠れている歯石があります。
【歯周病の治療】
歯周病の治療には、患者さん自身が毎日行う「セルフケア」と歯科医師、歯科衛生士が行う歯石取り「プロフェッショナルケア」の両方が必要になってきます。
プロフェッショナルケアでは、まず表面に見えている歯石や着色を取って、セルフケアをしやすくします。表面の歯石を取ることで、歯と歯茎の境目や歯と歯の間にブラシの先が当たりやすくなり、原因の歯垢がセルフケアで除去しやすくなります。
次に、歯茎の中に隠れている歯石を除去して行きます。目で直接見ることが出来ないので、歯と歯茎の間に専用の器具を入れ、歯石がどこにあるか探って1本1本丁寧に取っていくので、時間がかかります。
出血があると血液で歯石が隠されてしまい、取り残しが増えてしまうので、事前に表面の歯石取りとセルフケアで炎症を減らしてから行うのが理想です。
歯茎の深いところを触り、歯茎の中の歯根面に沈着した歯石を取ると痛みが伴いますので、麻酔をして行います。1回で全体的に麻酔をして歯石を取る方法もありますが、その場合身体への負担が大きくかかります。
1回に4本~6本の歯の周りの歯茎の中の歯石を麻酔下で除去するので、お口の中全部の歯茎の中の歯石取りをすると、6回(右上、左上、上前歯、右下、左下、下前歯)程度かかります。
ひと通り歯石を取り終えたら、どのくらい良くなったか?歯石を取り残していないか?炎症は減ったか?などの検査を行い、次の治療に進むか、もう一度歯茎の中の歯石取りをするか、メンテナンスに移行出来るかをみて行きます。
重度の歯周病がある場合は、歯茎を切ってめくり歯の根っこを直接見て歯石を除去して行くこともありますが、患者さんの負担もありますので、相談して決めています。
【メンテナンス】
1ヵ月~3ヶ月の間隔で、プロフェッショナルケアを受け、健康になった歯茎を保つお手伝いをします。
【まとめ】
健康に近い方だと、歯石取りは数回(1~2回)でメンテナンスに移行出来ますが、歯周病が進行すればするほど回数は多くかかってしまいます。
歯周病は時間をかけて進む病気で、治る時も同じように時間がかかります。進行してしまうと、治療期間が半年~1年ほどかかってしまうこともあります。
歯周病は気付かないうちに進んでしまいます。酷くなってしまう前に1度検診にいらして下さい。
◆なつみ歯科クリニック
(住所)千葉県白井市桜台2-7-1
(TEL)047-498-0808
(URL)https://www.natsumi-dental.com/
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